なぜ、バックヤードはきれいでなくてはいけないのか。

仕事でショップスタッフのインナーマニュアルの制作に何度か携わったことがあって、アパレルや飲食、物販などのスタッフや経営者向けのノウハウ本的なものを大量に読んだ。

 

そういった本には、実際に役立ちそうなものから、「何言ってんだ」と言いたくなる意味わかんないものまで、いろいろなことが書いてあるのだが、どの本も共通して説いているのがクリンリネス(店を清潔に保つこと)の大切さ。

 

もちろんお店をきれいに保つことは超重要だと思うのだが、「売れる店はバックヤードもきれい」とまで書いてある本が多かったことがイマイチ腑に落ちなかった。お客さんに見えないところまでキレイにすることが、なぜ売り上げにつながるのか? わかるような、わからないような。

 

おそらく、バックヤードが雑然としていると、働くスタッフの気持ちやモチベーションにマイナスに作用するんだろうと解釈していた。たぶん、この解釈の仕方も間違ってない。

 

ただ、最近神楽坂にできた『かもめブックス』で買った『コミュニティ難民のススメ』という本に、こんなことが書いてあった。山梨の宿『ホトリニテ』を営む高村さんの言葉だ。

「(宿泊客にとって)見えない部屋だからといってそこを掃除しないと、実はそのことは場の空気としてお客さんに伝わるんです。なんというか、空間がぼやけてくるんですよ

それぞれのお店には“空気(感)”としか言えないようなものが存在している。見えない場所の状態までもが、その“空気(感)”に関係してくるということだ。

 

というわけで、ネマルは年末に、バックヤードから厨房の下まで徹底的に大掃除しました。