『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を読んだ。コーヒーを巡って、どのように世界史が変遷していったのかを、興味深く読める本だった。
コーヒーを世界中に広めるのに大きな役割を担ったのが、スーフィーと呼ばれるイスラム神秘主義の修道僧だそうだ。極端な禁欲主義を貫き、眠ることを嫌い、食事を意味のないことと捉えていたスーフィーにとって、コーヒーはデメリットも含めて丸ごと受け入れられる飲み物だったらしい。
もうひとつ、この本で知った雑学を。ナポレオンがロシアに敗北した後、パリにはロシア軍が駐屯した。それによって、パリでは紅茶ブームが起こると共に、多くのカフェが「ビストロ」に名称を変更したそうだ。「ビストロ」はロシア語の「ブイストラ=早く」のことであり、ロシア軍人たちに紅茶を素早く出しますよというアピールするための名称変更だったらしい。