日本におけるカレーの歴史やカレーについての雑学を紹介した本。著者は『東京カリ〜番長』の水野さん。
以下、メモ。
福神漬が「七福神」と関係があることに予想がつく人は多い。ところが「7種類の野菜を使うから、七福神にちなんだんだよ」と返すと、「そうなの?」とか「なるほど!」と言う人が多い。これは酒悦本店が上野・不忍池の弁天宮に近かったことから着想したものだ。さらにその選ばれし7種類を正しく言える人はまずいないだろう。正解は「大根、茄子(なす)、蕪(かぶ)、なた豆、しそ、瓜(うり)、蓮根」。
福神漬けの生みの親、酒悦の15代目・野田清右衛門は創意工夫にあふれた人で、塩漬けしかなかった時代にしょうゆ漬けという新たな手法を編み出した。
ココイチの始まりは、創業者である宗次徳二氏が地元の愛知県で営んでいた、こぢんまりとした喫茶店だった。コーヒーの出前をスタートする際に「素人でもできるカレーをメニューに加えよう」と考えた。ところが、業務用のレトルトや缶詰は口に合わない。市販のカレールウをあれこれと取り揃えて味比べをし、もっともおいしかった商品をベースに店の味をつくり上げたそうだ。なんとココイチのカレーの原型は、ボクらが家庭で食べているのと同じカレールウでつくったカレーだったのである。