飲食店に冬の時代が訪れそうだ。しかし、値上げは避けて通れない。

消費税増税をきっかけに節約する可能性のあるものを聞いたアンケートで、4割弱の人が「外食」と答えたそうだ。

 

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出典:マイナビニュース

 

そうだろうなという気もするが、耳の痛い話だ。たださえ不況が続く飲食業界に、より不安を煽る結果である。

 

消費税増税は、飲食店をやっている人には非常に頭の痛い問題だ。仕入れ値や納税額があがるのだから、値上げをしても利益自体は変わらないのだが、値上げしたらお客さんが減ってしまうのではという不安がある。周囲のお店の人の話を聞いても、みんな悩んでいる。常にギリギリの闘いを強いられている個人店は、無印良品みたいに「値段据え置きます」とかっこ良いことはなかなかできない。

 

値上げをしなかったら、その分利幅が減る。その割を食うのは働くスタッフで、ただでさえブラック体質な飲食業界がさらにブラック化しかねない。値上げをしなかったら、お客さんには良い顔をできるかもしれないが、裏で泣くことになる。

 

僕の持論としては、値上げをしようがしまいが、基本的に4月以降はお客さんは減る。増税によって誰しも出費が増えるのだから、最も節約の標的になりやすい外食費は削られる。飲食店全体に落ちるお金が減る。必然的に、各お店に落ちるお金も減少する。

 

お客さんが減ることはもう覚悟しておいて、値上げを実施するのが正しい選択だと僕は思う。ネマルも値上げを予定している。単価の高いお店ではないから、それほど割高になった印象になりにくいかもしれないが、900円だった定食が950円になったら、それで来てくれなくなるお客さんも出てくるだろう。でもそれは仕方のないことだと思う。長期的な視点でみたら、ちゃんと利幅のとれる価格設定をすることが、お店を持続させ、かつ成長させていくためには必要だ。